fcc構造を有するCoCrFeNiAl0.3ならびにCoCrFeNiMn高エントロピー合金の変形挙動について、単結晶および多結晶を用いて調査した。その結果、CoCrFeNiAl0.3合金は、高温(600~800℃)では転位芯または積層欠陥に対するAlの固着に由来して動的ひずみ時効を生じるとともに、L12構造の析出物に由来して、平面的な転位組織を形成することが明らかとなった。また、単純な圧延再結晶で結晶粒が微細化し、高強度化が可能であった。一方、CoCrFeNiMn合金の双晶変形挙動は、積層欠陥エネルギー、平均粒径ならびに変形時の応力レベルに強く依存することが明らかとなった。
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