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2015 年度 実績報告書

FCC合金において未開拓な延性―脆性遷移挙動とその理論構築への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 26630353
研究機関九州大学

研究代表者

田中 將己  九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40452809)

研究分担者 東田 賢二  九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70156561)
森川 龍哉  九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00274506)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード構造・機能材料 / 格子欠陥
研究実績の概要

一般に面心立方(FCC)構造をもつ金属は低温脆化を引き起こさないため,オーステナイト系ステンレス鋼は低温用材料として広く使われている.しかし,この種の材料はNiを多量に含んでおり,近年の価格高騰などから窒素をNiの代替としたNiフリー高窒素オーステナイト鋼が注目されている.しかし,高窒素オーステナイト鋼は,一般にオーステナイト鋼では見られない低温脆性を示し,実用上の大きな障害となっている.この特異な延性―脆性遷移のメカニズムを解明するためには既存の理論(応力遮蔽効果)の適用範囲を新たな 理論と供に拡張する事が必須となる.本研究は,「転位遮蔽効果」を土台としたこれまでの延性―脆性遷移理論の適用範囲を,従来考慮される事のなかったFCC合金にまで拡張し,結晶構造に関わらず包括的に適用可能な延性―脆性遷移理論構築に挑戦した.そのために,高窒素鋼にCuを添加した試料における延性―脆性遷移挙動を明らかにした.その結果,Cu添加により脆性-延性遷移温度は低下した.そこで,脆性-延性遷移温度の変形速度依存性から転位運動の活性化エネルギーを求めたところ,転位運動の活性化エネルギーが低下していた.Cu濃度の異なる試料において,遷移温度の変形速度依存性から活性化エネルギーを求めたところ,遷移温度と活性化エネルギーの関係は,転位がパイエルス障壁を乗り越える運動が素過程である結晶における関係と大きく異なっており,転位と固溶元素が強い相互作用をする材料における脆性-延性遷移モデルを提案した.更に,高窒素鋼における亀裂先端転位を超高圧電子顕微鏡により観察し,転位構造を明らかにした.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 高窒素鋼における亀裂先端転位のHVEM観察2015

    • 著者名/発表者名
      藤崎基, 田中將己, 東田賢二, 土山聡宏, 小野本達郎
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会第168回秋季講演大会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2015-09-17
  • [学会発表] 転位運動で理解する破壊靭性とき裂進展挙動2015

    • 著者名/発表者名
      田中將己, 東田賢二
    • 学会等名
      日本鉄鋼協会第4回鉄鋼科学セミナー「損傷と破壊の鉄鋼研究:その最前線と課題」
    • 発表場所
      エッサム神田
    • 年月日
      2015-08-31
  • [学会発表] 藤崎基, 田中將己, 東田賢二2015

    • 著者名/発表者名
      高窒素鋼における亀裂先端転位の HVEM 観察
    • 学会等名
      日本金属学会九州支部・日本鉄鋼協会九州支部・軽金属学会九州支部平成27年度合同学術講演大会
    • 発表場所
      北九州国際会議場
    • 年月日
      2015-06-06

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公開日: 2017-01-06  

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