研究課題/領域番号 |
26630356
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
田口 哲志 独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, その他 (70354264)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 細胞接着剤 |
研究実績の概要 |
インテグリンに認識されるアミノ酸配列およびマトリックスメタロプロテアーゼに対する基質を主査に有する親水性高分子として、ティラピア鱗由来ゼラチンを選択した。疎水化ゼラチンの合成は、Dimethyl sulfoxideに溶解させたティラピア鱗由来ゼラチンTriethylamine存在下の塩基性雰囲気下でCholesteryl chloroformateを加え、窒素雰囲気下で反応させた。仕込みのCholesteryl chloroformateを変化させることにより、ゼラチン中のアミノ基に対して種々の疎水基導入率を有するコレステリル基導入ゼラチン (Chol-Gltn) を得た。Chol基導入率はトリニトロベンゼンスルホン酸法を用いて算出し、 1H-NMRにより構造評価を行った。また、リポソームを用いた疎水性相互作用によるゲル化能の物理化学的評価を行った。合成したChol-Gltnは、1H-NMR測定により0.651 ppmにChol基C18に由来するピークを同定し、Chol基導入が確認された。また、合成したChol-Gltnは、そのChol基の導入率の増加に伴うゼータ電位の低下、CACの低下が確認され、アミノ基の減少と疎水性の向上が確認された。脂質二分子膜に対する疎水基のアンカリングを介したChol-Gltnのカチオン性脂質からなるリポソーム架橋能がレオロジー測定によって明らかとなった。Chol-Gltnで架橋したリポソームゲルは、コラゲナーゼによる酵素分解能を持っていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ベシクル・細胞集合体を疎水性相互作用により物理架橋可能な細胞アーキテクトニクス材料を合成し、動的粘弾性評価により架橋形成を確認していることからおおむね順調に研究は進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
これまで得られた結果をもとに次年度は材料による細胞の架橋を中心に研究を進めていきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究補助業務を行う実験補助員の雇用費用の残高として差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度となるため、計画的に予算を執行する予定である。
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