イオンを用た次世代の三次元創成技術の開発を目指した.アーク放電により高密度のプラズマを生成し,イオンのみを抽出し,さらに静電レンズを用いてイオンビームを収束できる堆積装置を開発して,Si基板上に炭素の堆積を試みた.有限差分法により静電レンズ付近の電場を算出し,荷電粒子の軌跡を予測した.そのシミュレーション結果を基に静電レンズを設計・製作して堆積装置内に設置し,イオンビーム(面積1100mm2)の収束実験を行った.その結果コイル電流0.1 Aの時,イオンビームを166 mm2まで収束させて硬質炭素膜を堆積させることに成功し,高密度イオンを用いた三次元創成が可能であることを示唆した.
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