左右の雰囲気をほぼ独立して制御できる差動型同時成膜装置を用い,金属窒化物膜を下地膜とし,その上に金属窒酸化物膜を成膜し下層との整合成長により,非平衡結晶構造を有する新しい膜の組織制御を試みた。AlN/AlON積層膜においては,窒素分圧0.04Pa以上で上層にAl6O3N4膜が形成された。下層のAlNは成長方向とC軸がほぼ平行であったのに対して,上層のAlON膜のC軸はそれらに対してほぼ垂直となることがわかった。他方,TiON単層膜でも新しい相 (TiO0.34N0.74) を含む混合相が得られたが,TiN/TiON積層膜については,TiN膜下地からの整合成長を利用した組織制御はできなかった。
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