低炭素鋼の加工熱処理物理シミュレーション実験を種々の温度・歪み速度で行い、動的フェライト変態挙動を調べた。6Ni-0.1C鋼および2Mn-0.1C鋼において、平衡変態点・Ae3温度以上で動的変態による変形応力の低下と、急冷材におけるフェライト相の形成が確認された。同じ温度で加工後静的保持すると、一旦生成したフェライトが消滅することも確認できた。これらより、平衡変態点以上の温度における動的フェライト変態の発現を証明することができた。同じ条件における変形中の中性子その場回折実験を、J-PARCのBL19において実施したが、時間分解能の限界から、中性子回折による確認は現時点では得られていない。
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