放射性汚染水あるいはその周辺の環境水に対する浄水技術を開発することを目的とし、すでに大量処理された希薄な汚染水の、少量かつ清浄度の高い浄化をねらい研究開発を行った。従来の浄水処理には凝集剤が用いられるが、添加物によって放射性物質が増える欠点があり、添加物を使わない磁気分離は有効な手段である。ステンレスには環境基準がなく水中での存在は安全上の問題はないが、粒子には吸着するセシウムやステンレスに含まれるクロムの放射化は問題となる。ステンレスの多くは非磁性とされ、通常の永久磁石での回収は困難だが、歪や欠陥が導入された粒子は弱く磁性を帯びるため、強磁場によれば効率的に吸着分離ができる。
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