水の電気分解による水素製造にかかる電力の削減を目的とした基礎的な研究において、水の電気分解時のアノード側(酸素発生極)で、酸素発生の代わりにヨウ化物イオン(I-)の酸化反応を進行させることにより、水素製造時に必要な電圧を約1 V低下できることを示した。また、I-の酸化反応によって生じたI3-を、亜硫酸イオン(SO32-)を用いて還元することによってプロセス内で循環利用できることを示した。SO32-は、現在非鉄金属製錬工程で多量に副製され有効な利用法がないSO2ガスを水へ溶解することによって得られるため、廃棄物を利用した省エネルギーかつ環境適合性の高い水素製造法の構築が期待できる。
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