研究課題/領域番号 |
26630382
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
市坪 哲 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40324826)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 蓄電池 / 二塩電池 / ロッキングチェア型電池 / マグネシウム / リチウム |
研究実績の概要 |
本申請研究では,ポストリチウムイオン電池の開発という位置づけで,マグネシウムなどの多価金属とリチウムなどの合金を負極に,リチウムイオンおよびマグネシウムイオンの両者が挿入可能な正極を用いて,ロッキングチェア型(マグネシウム・リチウム)二塩蓄電池の概念を試作することを目的としており,この達成により元素戦略,大型エネルギー蓄電,出力密度などの問題をクリアできるとか考えている. 1.正極について: 一般に多価金属イオンを挿入できる正極材料は稀にしか存在しないが,申請者を含め,マグネシウムが挿入脱離可能な正極材料をいくつか報告している.ここでは,そのようなマグネシウムカチオンが挿入できる正極材料を用いて,逆にリチウムイオンが挿入可能かどうかを検討したところ,リチウムイオンはマグネシウムの挿入電位と同程度の電位で挿入が可能であることが分かった.この正極を用いて,マグネシウムとリチウムイオンが1:1の電解液を作製し,その電解液を用いて放電実験を行ったところ,マグネシウムとリチウムの挿入量比は7:5(電気量比として14:5)程度挿入されることが明らかとなった. 2:負極について: 組成比がモル比で1:1のマグネシウムリチウム合金の作製を試みた.実際にアノード溶解の電位が0.5V vs Li程度でアノード溶解が可能であることが分かった.また,リチウムが電析できる電位に保持して,リチウムとマグネシウムの同時電析を行ったところ,デンドライト析出は起こらずに,スムースな表面を有する合金が形成された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
多価金属を収納できる正極が予想通り,リチウムを収納できることが判明し,またその正極の性能(電位と容量)が予想以上に高いため.
|
今後の研究の推進方策 |
合金負極のアノード溶解挙動の詳細を調べる.電位窓の広い電解液を探査する.ビーカーセルからコイン型電池への移行など.
|