研究課題/領域番号 |
26630396
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
向井 紳 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70243045)
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研究分担者 |
荻野 勲 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60625581)
岩村 振一郎 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10706873)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 化学工学 / 吸着剤 / イオン性液体 / 固定化触媒 |
研究実績の概要 |
本年度は,まず最初に既報に従ってシリカマイクロハニカム(SMH)の合成を行った。得られたSMHを種々の温度で焼成し,これらの細孔構造を窒素吸着測定により分析することで,既報通りの試料が得られたことを確認した。また,1000℃で焼成した試料は,多数の直状マクロ孔からなるマイクロハニカム構造を維持し,かつ触媒や吸着剤として実際に使用する場合に適した高い強度を有することを確認した。そこでこの試料をイオン性液体固定化検討に用いることとした。固定化の検討には,触媒反応やCO2分離などの用途で広く用いられている1-Butyl-3-methylimidazolium hexafluorophosphate ([bmim]PF6)を選択した。コーティング条件として種々検討した。特に,1000℃で焼成したSMHにTHFに溶解させた[bmim]PF6を一定時間含浸させたのち,ジエチルエーテルで洗浄することにより過剰な[bmim]PF6を除去,そして最後に真空乾燥させることで,[bmim]PF6がSMHの直状マクロ孔表面に数nm厚みの薄膜状態でコーティングされた[bmim]PF6/SMHが得られることがわかった。また材料の特性評価を行うため,熱重量分析装置を用いてCO2吸収量の測定を行った。モノリス状の[bmim]PF6/SMHを熱重量分析装置内で加熱前処理し,その後ヘリウムで希釈したCO2ガスを流した際の重量変化からCO2吸収量を求めた。その結果,[bmim]PF6への飽和溶解度に相当するCO2が迅速に吸収できることが示唆された。今後コーティング条件の最適化とCO2分離試験を進め[bmim]PF6/SMHのCO2分離剤としての利用を検討する。一方で,触媒活性種を[bmim]PF6に溶解させたSMH試料も作製し,触媒反応への利用を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年は,当初SMHの合成,前処理,分析ならびにイオン性液体のコーティング条件の検討を予定しており,これら全てについて達成できたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
イオン性液体[bmim]PF6は,CO2溶解性が比較的高いため,調製した試料はCO2分離剤としての利用も期待できる。またこれを応用し,将来的にはCO2分離・有用物質への変換が行える構造体触媒開発へ応用できるのではないかと考えている。まずは,モノリス体のCO2分離能を検証するため,イオン性液体の膜厚とCO2分離速度の関係やマイクロハニカム型以外のモルフォロジーを有する構造体を用いた場合との比較などを行っていく方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は78,897円となっているが、この内の78,601円分の物品は平成26年度内に発注し、既に同年度内に納品されている。支払が平成27年度に入って行われているために計上されている金額である。残りの296円については平成27年度に繰り越した方が有効に利用できると判断した。
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次年度使用額の使用計画 |
発注、納品ベースでは研究費はほぼ計画通りに使用されており、平成27年度も当初の計画通りに研究費を使用する予定である。
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