研究実績の概要 |
現在石油資源から得られている化学品をバイオマスから資源から誘導する技術は、石油代替や持続可能社会の構築、グリーンイノベーションなど様々な観点から重要な技術である。本研究では、グルコースやキシロースの2級の水酸基のみを水素化分解することで高選択的にテトラヒドロピラン-2-メタノールやテトラヒドロフルフリルアルコールを選択的に与える触媒反応プロセスの構築を目指している。1,4-アンヒドロエリスリトールをモデル反応として用い、2級の水酸基の選択的水素化分解反応に向けた触媒探索を行った。触媒活性主成分として、Re, Mo, W, etc を検討し、結果として、Reが最も有効であることが分かった。さらに、助触媒として、様々な成分を検討した結果、パラジウムが有効であることも見出した。さらに、担体についても検討を行った結果、酸化セリウムが有効であり、結果として、ReOx-Pd/CeO2触媒が1,4-アンヒドロエリスリトールから高収率でテトラヒドロフランを与えることを明らかにした。この触媒の特徴は、隣接する水酸基を同時に除去するするものであり、グリセリン、エリスリトール、キシリトール、ソルビトールなどの糖アルコールから、モノオールやジオールを高収率で与えることも明らかにした。主たる反応活性点は酸化レニウム種であり、担体の酸化セリウム上に固定化されることにより、低原子価レニウムまで還元されることを抑制し、高原子価レニウム種のレドックスを助けている可能性が高いことも示された。
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