規則性メソ孔を保持したまま,金属触媒作用によって規則性メソポーラスカーボンのpartial graphitizationを実現するための最適な調製条件を探索し,グラフェンドメインと規則性メソ孔の階層構造を制御した多孔質炭素材料「エネルギーストレージ・カーボン」の調製法を開発した。 金属触媒存在下での炭化温度を500~900℃の範囲で変えて,グラファイト化温度の最適化を行ったところ,Co触媒なしでは800℃の炭化温度が必要であったのに対し,Co触媒を添加した場合には700℃でも十分な電気伝導性を示す炭素体が得られることがわかった。 またCo触媒を添加して1000℃で炭化したメソポーラスカーボン電極では,7マイクロF/cm2に達するEDLCの充放電容量を得ることができた。 続いて炭素源をフルフリルアルコールからアセナフテンに変えてメソポーラスカーボンを調製し,これをEDLC電極とした場合には,10マイクロF/cm2という驚くべき充放電容量を得ることができた。これはメソ孔壁にグラファイトドメインのedge planeが露出していることに気いするものと結論付けた。
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