メタンから高い価値を持つ物質への転換反応として,メタンとベンゼンなど芳香族化合物からアルキルベンゼンの合成を試みた.Co/MFIゼオライトを触媒としてメタンとベンゼンからトルエンを生成することが可能となった.既存の技術と組み合わせると,PET樹脂の原料として大量に生産されているパラキシレンの炭素原子のうち1~2をメタンから供給する新しい経路が可能となる.メタンの炭素が使われていることを同位体を用いて慎重に確認し,まらCoとゼオライトのイオンサイトの共存によって特別な触媒活性が発現することも見出した.エタン・プロパンでも同様の反応を見出し,こちらも未利用資源の有効利用の道をひらくと期待される.
|