研究課題
1.N2O還元細菌の獲得:前年度の集積培養により、装置内で優占化していたRhodocyclaceae科のAzospira sp.およびDechloromonas sp.の単離に成功した。また、これらの細菌群はnosZ clade IIに属するN2O還元細菌であることを明らかにした。2.生理活性の評価:単離されたAzospira sp.およびDechloromonas sp.の生理活性を、レスピロメータにより行った。これらの細菌の最大N2O還元速度は従来から報告されているN2O還元細菌よりも数倍高い値を示した。また、低い溶存N2O濃度においても、高い活性を示すことが明らかになった。さらに、これらの単離された種類の中には、亜硝酸イオンとN2Oの共存した際に、有機炭素から供給される電子の競合により、N2O還元が抑制される種、ほとんど抑制されない種が存在することが明らかになった。3.単離されたN2O還元細菌の酸素耐性の評価:単離されたAzospira sp.およびDechloromonas sp.の酸素存在下でのN2O還元活性を評価した結果、酸素存在下でN2O還元速度が大幅に減少するものの、N2Oの還元速度の低減の度合いは細菌種によって異なることが明らかになった。4.メタン資化性のN2O還元細菌の探索:メタンとN2Oを供給した集積培養装置によるメタン資化性のN2O還元細菌の探索を行った。長期間の集積培養を行い、バイオマスの集積は行えたものの、細菌の単離や同定までには至らなかった。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)
Environmental Science and Pollution Research
巻: 22(24) ページ: 19562-19570
10.1007/s11356-015-5129-8