研究課題
ヒト骨髄由来間葉系幹細胞 (MSC)を懸濁したコラーゲン溶液を、撥水性表面に2 μLずつ滴下することで、ビーズ形状の構造体を大量に作製した。ゲル内に包埋したMSCの牽引力により、作製した構造体は24 時間で直径半分以下にまで収縮し、骨の主要成分であるコラーゲンとMSCを密に含む構造体を形成した。これを骨分化培地で14日間培養した結果、包埋したMSCのALP (初期の骨分化マーカー)活性は培養日数に伴って上昇し、Alizarin red染色により、Bone beads内部へのカルシウムの産生・沈着が認められた。次に、作製したBone beadsにヒト臍帯静脈内皮細胞 (HUVEC)を播種し、beads周囲をHUVECで密に覆わせたのち、約60 mm3の鋳型に集積した。2日間の培養の間に、HUVECはbeadsの隙間に沿って管腔構造を有する血管網を形成し、血管網を有するBone beads集積組織を作製した。この組織は、コラーゲン、骨芽細胞、骨芽細胞が産生した骨基質、さらには血管網を同時に含んでおり、自家骨類似の組織体であると言える。作製した組織体の有用性を示すために骨再生能を評価した。骨再生能の評価モデルとして、頭蓋冠に自然治癒不可能なφ4mmの欠損部を作製したヌードマウス (8週齢)を用意し、この欠損部にBone beads集積組織を埋入した。骨治癒過程をマイクロCT解析により評価した結果、既存の人工骨材料 (β-TCP)と同等、もしくはそれ以上の骨再生能を有することが確認された。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 2件、 査読あり 15件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件) 産業財産権 (2件)
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