研究課題/領域番号 |
26630430
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
原 清敬 神戸大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40434378)
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研究分担者 |
今村 博臣 京都大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (20422545)
渡辺 洋平 甲南大学, 理工学部, 准教授 (40411839)
寿野 良二 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (60447521)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ATP / 無細胞合成系 / シャペロン / 蛍光 |
研究実績の概要 |
はじめに、大腸菌由来無細胞合成系と、SFGFPの組み合わせで実験を行った。その結果、蛍光分光光度計により、リアルタイムでSFGFPの合成を確認することができた。しかし、光駆動ATP再生小胞による合成促進の効果は見られなかった。今回使用した大腸菌由来の無細胞合成系は市販品で、化学反応共役型のATP再生系がすでに含まれていたため、再生小胞による効果が現れにくかったと考えられる。 そこで、化学反応共役型のATP再生系を含まない、ウサギ網状赤血球由来の無細胞合成系を用いて実験を行ったところ、SFGFPの蛍光は、光照射条件ではほとんど現れず、暗条件での合成でわずかに見られただけであった。今回の実験で使用したプロモーターやSFGFPの遺伝子配列では、大腸菌に比べ、ウサギ網状赤血球由来の無細胞合成系で、合成効率が大幅に落ちるのかもしれない。あるいは、ウサギ網状赤血球由来の無細胞合成系は、鮮血色をしており、系自身がSFGFPの緑色の蛍光を吸収してしまう可能性も考えられた。また、SFGFPの励起波長(485nm)がデルタロドプシンを駆動させる光の波長に近いため、使用する無細胞合成系に関わらず、そもそも合成時に光を当て続けることで、SFGFPの蛍光団に悪影響を及ぼすことも懸念された。 そこで、SFGFPの代わりに、励起・蛍光波長の短い蛍光タンパク質であるシリウスを使用した。大腸菌由来の無細胞合成系で実験を行ったところ、十分な蛍光の上昇が見られた。しかし、光照射の有無に関わらず、蛍光の上昇速度に大きな違いは見られなかった。さらに、ウサギ網状赤血球由来の無細胞合成系で、シリウスの合成を試みたが、明暗条件いずれの場合もシリウスの蛍光は見られなかった。ここにさらにシャペロニンを加えてみたが、やはり蛍光は見られなかった。
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