本研究では、環境中の微生物から生理活性物質生産能を直接スクリーニングする新手法の開発を目的とした。顕微ラマン分光法を用いて、生理活性物質生産を非侵襲的に検出することを目指し、はじめに様々な生体分子のラマンスペクトルライブラリーの構築を行った。本結果をもとに、放線菌培養株や環境微生物からの生理活性物質のin situ検出を試みた。共鳴ラマン効果や多変量解析を用いることで、複雑なラマンスペクトルから各種抗生物質に由来するラマンバンドを検知することが可能となった。また、ハイスループットスクリーニングに向けて、マイクロ流体デバイスを基礎とした単一微生物の単離・培養とラマン分光測定への応用を検討した。
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