金属メッシュを有する細径管マイクロコンバスターにおいて熱還流による再生予熱を促進する構造について,3次元数値計算と実験とを用いて確認を行った.熱還流としては管壁やメッシュを通した熱還流と,排気ガス循環時の熱還流とを対象とした.前者については,未燃側と既燃側の管壁の熱伝導率が,再生予熱割合,熱損失割合,火炎定在可能上限流速に与える影響について調べた.未燃側の管壁の熱伝導率が大きいほど火炎定在可能上限流速は低下するが,既燃側の管壁の熱伝導率が大きいほど増大することが明らかになった.後者については,管壁の熱伝導率が大きい場合には影響が小さいが,管壁の熱伝導率が小さい場合には火炎定在可能上限流速を増大させ有効であることを示した.また,液体燃料を用いる際の制約を考慮した場合も再生予熱効果についても数値解析を行い,液体燃料を用いた燃焼器の設計方針も示した. 前年度誘引流特性を調べた誘電体バリア放電を用いたミリサイズの円筒型マイクロプラズマアクチュエーターを金属メッシュを有する細径管マイクロコンバスター上流に設置し,マイクロプラズマアクチュエーターによる燃焼器の空気供給を試みた.将来的な液体燃料適用への拡張のため,気体燃料を空気と予混合せず細径管から金属メッシュ上流に供給を行った.空気をボンベから供給せず,マイクロプラズマアクチュエーターにより外部空気を誘引し供給した場合でも,細径管内の金属メッシュ背後に火炎を定在可能な条件が存在することが明らかとなった.
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