研究課題/領域番号 |
26630446
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松本 広重 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 教授 (70283413)
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研究分担者 |
西原 正通 九州大学, カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所, 助教 (40415972)
桜井 誠人 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, その他部局等, 研究員 (80344258)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 水電解 / 界面プロトン電動 / ナノ粒子 |
研究実績の概要 |
本研究では、電極に気液分離の機能が備わっており原理的に重力を必要としない水電解方式である「無機界面プロトン伝導性酸化物ナノ粒子を用いた吸水多孔質電解質水電解」を、宇宙空間における酸素製造装置の観点から検討・開発する。本年度は、100mA級および1A級の水電解セルを開発すべく検討を実施する予定であったが、昨年度に検討した電解セルについて、想定した原理通りに作動せず、水電解による水素発生がファラデー則を下回る現象が発生した。その原因としてガス拡散層および触媒層の撥水性及び微構造の制御に問題があると考えられたため、それらの調製条件の吟味に立ち返って検討を行った。 ガス拡散層に関しては、電子伝導相としてアセチレンブラックを用い、撥水相としてフッ素系ポリマーを用いた。混合割合および加熱条件等を変化させてガス拡散相を調製し、その電子伝導性、ガス透過性、耐水圧の3点を調べた。その結果、これらの3つの特性に関して優れる材料を調製することができた。現在のところ、触媒層は従来法で作っており、そのため過電圧が高く、電流電圧特性にまだ問題がある。しかし、ファラデー則を満たす条件で電解セルを作動することに成功した。したがって、今後、触媒層の検討を行い、過電圧の低下を図るとともに、電流密度の大きなセルの試作に取り組む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前記の通り、電解セルの原理的作動に問題が生じたため、100mA級および1A級の水電解セルの開発を実施できなかった。今年度の検討においてファラデー則に関しては、クリアできたと考えられ、過電圧の低下を検討後に、所望の電流値を持つセルの開発にあたる。
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今後の研究の推進方策 |
以上の状況により、研究期間を一年延長して、目標達成を図る。触媒層の検討を行い、過電圧の低下を図るとともに、電流密度の大きなセルの試作に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究機関を一年延長するにあたり、研究費を次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
残額は、平成28年度に研究を進める際に、消耗品の購入に充てる。
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