研究課題
本研究では宇宙用小型水蒸気発生装置の開発を行い、宇宙空間での様々な場面での利用を想定して最適化を行った。大気中における低電力で小型のガスジェネレータの開発に成功したので、次に宇宙空間の特に真空中で凍結することなく蒸気を供給し続けられるガスジェネレータの開発を行った。真空中では水は凍結してしまうため、凍結することなく蒸気を一定供給することを課題とした。そこで改良型ガスジェネレータの下流にさらに流路を絞ったオリフィスを取り付けた。それによって真空中においても定常的に水の供給および蒸気化ができ、約30分間真空中での作動を確認した。この結果から、宇宙船内外の様々な場面で使用することができるガスジェネレータの開発に成功した。さらにその応用として電気推進機であるアークジェットスラスタの推進剤として水蒸気を使用することに注目した。特に、水を推進剤としたアークジェットを長時間作動をさせるために、アークジェット本体に水蒸気発生装置を組み込めるように改良を行った。特に、本年度は、水冷式アークジェットスラスタを用いた場合、最大10秒程度の作動を確認できた。アノード輻射冷却式アークジェットスラスタを用いた場合では最大25秒間の作動を確認した。ガスジェネレータとアークジェットスラスタを組み合わせることで短時間ではあるが、宇宙空間における新たな水の利用方法として推進システムへの応用に成功した。作動後にスラスタの分解を行ったところ、スラスタの部品が破損していることが確認された。水蒸気の利用は電極には厳しく、今後、電極構造・材質の改善が必要である。
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