研究課題/領域番号 |
26630456
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
梅田 民樹 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (90243336)
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研究分担者 |
赤澤 輝彦 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (30346291)
岩本 雄二 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (80244680)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 海水浄化 / マイクロバブル / 電気分解 / 磁場 |
研究実績の概要 |
直径が50マイクロメートル以下の気泡であるマイクロバブルは、表面電荷を持つ、自己圧壊する、など通常の気泡と異なる性質があり、海水浄化装置への応用が期待されている。本研究では、海水中でのマイクロバブルの流動制御を目的とし、海水に電場、磁場を印加することにより、発生するローレンツ体積力がマイクロバブルの挙動に与える影響を調べる研究を行った。まず、予備的実験として、アクリル板でできた簡易的な電解槽を作製し、磁場なしの条件で海水の電気分解実験を行い、発生した微小気泡の運動を観測した。電磁気学および気泡流に関する流体力学に基づき、有限要素法を用いて実験に対応する数値シミュレーションを行い、気泡直径が十分小さいという条件の下で、実験的に観測される海水と気泡の運動が基本的に再現されることを確認した。次いで、0.1テスラ程度までの磁場を印加した場合について同様の数値シミュレーションを行い、ローレンツ体積力により海水の対流パターンとマイクロバブルの分布パターンに明らかな変化が生じることを示した。このことは、ローレンツ体積力によるマイクロバブルの運動制御の可能性を示す結果である。また、マイクロバブルの海水浄化機能を活用する装置の一つとして期待される電磁場を利用した海水・油分離装置について、ローレンツ体積力および気泡に働く浮力が装置内の海水流れに与える影響を調べる実験とそれに基づく考察を行った。これらの結果を学会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年4月に、研究に使用することを予定していた強磁場発生装置が故障し、修理に10ヶ月程度を要した。このため、磁場下での電気分解実験がほとんどできなかった。また、故障原因が特定できず、修理費の見積もりが遅くなったことが影響し、当初予定していた磁場中での使用に耐える光学観測装置システムの設計、発注を行うことができなかった。このため、光学観測装置システムを利用して行う予定だった基礎パラメータの実験的見積もりも不十分な物になった。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に故障した強磁場発生装置の修理が完了したので、これを用いた実験研究を開始する。また、光学観測装置システムを設計、購入し、これを用いて数値シミュレーションに必要となる基礎パラメータの実験的見積もりを進めていく。高速な計算機システムを購入し、実験に対応した数値シミュレーションを進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年4月に、研究に使用することを予定していた強磁場発生装置が故障したため、本研究費で修理費を支出した。修理費の見積もりが大幅に遅くなったことが影響し、当初予定していた磁場中での使用に耐える光学観測装置システムの設計、発注を行うことができなかった
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次年度使用額の使用計画 |
当初の予定よりやや低予算となるが、実験に必要な光学観測装置システムの再設計を行い、購入する予定である。
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