本研究ではドリルストリングに発生するStick-Slip現象を予測するための数値解析手法の開発を目的とした。Stick-Slip現象の問題は中立型遅延微分方程式を解く問題に帰着されるが,これを数値的に解くためには,初期履歴の設定およびドリルビットに作用する摩擦トルクの設定という2つの難点が存在する。初期履歴の設定の問題では連続条件に微小な擾乱を加えた初期履歴を与えることで安定なStick-Slipの数値解が得られることを示した。摩擦トルクに関してはトップドライブトルクの計測値から設定する方法を示した。これらの手法を用いれば模型レベルのStick-Slipは精度よく推定できることが分かった。
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