将来のエネルギー源として期待される重イオン慣性核融合の基盤技術の確立を目指し,磁気ノズルによるレーザーアブレーションプラズマの品質および安定性の動的制御法について提案し原理実証実験を行った.金属のレーザー標的近くに置いたコイルによりパルス磁場を発生し,ノズル形状の磁場中で発生するレーザーアブレーションプラズマの挙動をプラズマ分光法とイオンフラックス計測により調べた.磁場の印加によりプラズマ中のイオンだけでなく,中性原子の挙動も影響を受けることを明らかにした.一方,プラズマ圧に対して磁気圧が十分でないため,磁気ノズル効果によるプラズマの加速や方向性の改善を確認するには至らなかった.
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