研究課題
今年度は,前年度に開発・整備した高時間分解能の2次元可視光計測系を用い,収束衝撃波の伝播に関する実験的研究を行った.本課題で重要なポイントは,(1)低密度フォーム中を伝播する衝撃波の基本特性(状態方程式),および(2)コーン形状の低密度フォーム中を伝播する衝撃波の収束特性の2点である.(1)に関しては,平板状の低密度フォームターゲット(プラスチック容器に封入)を用い,衝撃波の通過時刻および衝撃圧縮時の温度を計測し,これを1次元シミュレーションと比較した.1次元シミュレーション計算結果は実験データを良く再現した.これにより,1次元シミュレーションでの衝撃波挙動を基に,球収束系での実験設計が可能であることを確認した.(2)に関しては,これをレーザー照射することによって低密度フォームを伝播したコーン状のターゲットの内側よりレーザー光を照射し,伝播・収束する衝撃波面をターゲットの先端方向より計測した.衝撃波伝播距離を変化させ,異なったコーン先端径のターゲットを用いることにより,収束過程についての空間1次元,2次元での詳細なデータ取得を行った.実験結果より,コーンの先端径に即した可視光自発光が得られた.しかしながら,1次元シミュレーションで予測される衝撃波通過時刻と比較して発光時間は非常に早く,この原因は低密度フォーム中での先行加熱が原因であると解釈している.実験結果より,1次元シミュレーションの予測より少し遅い時間帯に2番目の発光が得られていることから,まず先行加熱でコーン先端部が膨張した後に収束衝撃波が伝播して発光しているものと考えられる.以上により今後はターゲット設計およびレーザー照射配置などの最適化を通して,より理想的な収束衝撃波の観測を行うとともに,2次元シミュレーションによる詳細な解析をすすめる予定である.
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Jornal of Physics, Conference Series
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