研究課題
本研究は、高温プラズマの閉じ込め・輸送に大きな影響を与える空間構造の変化量すなわち勾配や曲率について、その詳細な時間変動データを取得し、プラズマ性能に及ぼす影響を解明することを目的としている。特にプラズマの電子密度および電子温度の空間分布の勾配および曲率を直接計測するシステムを開発し、大型ヘリカル装置プラズマにおける実験を通して原理実証を行う事を目指している。本年度は、これまでに新しく開発を行った2つの計測器システム(電子温度勾配を計測するための局発波の周波数を掃引するヘテロダインラジオメータと電子密度勾配に関する情報を得るためのW-band FM-CWミリ波反射計)を改良し、大型ヘリカル装置プラズマを対象とした実証試験を行った。勾配や曲率に比例した信号を得るためには、時間的に周波数が変動する計測データを実時間で数量化することが重要である。そのため、FPGAを利用したデジタル信号処理回路を導入した。また、プラズマからの信号のS/N比を改善するために、伝送経路での損失の改善やアンプの増強などを施した。信号の特性をあらかじめ得るための、広帯域データ収録システムを構築し、プラズマ放電後すぐにデータ解析が可能となるようにした。これらの改良を施したシステムを、今年度2月から開始した大型ヘリカル装置でのプラズマ計測実験に供して、統計的な信号処理を施すため、現在データの蓄積を行っている。ラジオメータでは、途中経過であるが、信号処理が可能な強度の信号が得られおり、現在物理現象を明らかにするための解析を進めている。電子密度分布情報と合わせて、閉じ込め特性との相関について整理した後、成果発表を行うよう計画を進めている。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
Nuclear Fusion
巻: 57 ページ: 025001-1-11
https://doi.org/10.1088/0029-5515/57/2/025001
巻: 57 ページ: 076003-1-6
https://doi.org/10.1088/1741-4326/aa6d26