研究課題/領域番号 |
26630487
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
渡辺 英雄 九州大学, 応用力学研究所, 准教授 (90212323)
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研究分担者 |
鎌田 康寛 岩手大学, 工学部, 教授 (00294025)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 原子炉圧力容器 / 照射脆化 / 電子線照射 |
研究実績の概要 |
既存原子炉の高経年化による原子炉圧力容器の照射脆化の解明とそれに基づく材料の寿命評価は、原子炉の廃炉時期を科学的根拠に基づき地域社会に明確に示す上で早急に解決すべき問題である。この研究には材料照射用の原子炉の使用が不可欠であるが、福島原発事故の影響により、現在国内の商業炉はもとより、材料の安全研究に使用される研究炉も同様に停止状態にある。炉の安全性評価には、同様な条件での中性子照射が不可欠である。本研究では、国内外の原子炉で既に照射された圧力容器鋼材をアイソトープ管理区域外まで持ち出し可能なレベルまで微細加工し、管理区域外にて設置された超高圧電子顕微(HVEM)を用いて電子線を照射して、照射済み試料の詳細の観察を実施することにより、照射済み試料の再照射・再利用の可能性について検討した。今年度は、ベルギーBR2炉を用いて過去に、290℃(約1dpa)で照射したFe-0.6%Cuモデル合金を東北大から移送し、九州大学超高圧電子顕微鏡(箱崎地区)にて電子線を室温にて再照射した。これにより、290℃照射により形成されて転位ループのほとんどが格子間原子型であることが明らかにされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究では過去に中性子照射した材料(放射性)を管理区域外まで待ちだし可能レベルまで微細可能し、試料を再利用することが不可欠であるが、ベルギーBR2炉を用いて過去に、290℃(約1dpa)で照射したFe-0.6%Cuモデル合金を東北大から移送し、九州大学超高圧電子顕微鏡(箱崎地区)にて電子線を室温にて再照射することが可能となった。これにより、290℃照射により形成されて転位ループのほとんどが格子間原子型であることが明らかにされた。
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今後の研究の推進方策 |
九大箱崎キャンパスは移転の時期を迎えており、当地区におけるHVEMの使用は平成27年度までとなっている。今年度中に電子線の照射を完了し、次年度は研究の総括・取りまとめを計画している。
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