原子炉材料研究には、中性子照射実験が可能な研究炉が必要であるが、東電の事故以降国内では全ての材料試験炉が停止状態にあり、安全研究の推進に大きな障害となっている。本研究は、以上の様な状況に鑑み、過去に照射済みの照射試験片(RI)を最大限に活用する為に、試験片を微小加工した後に管理区域外に取り出し可能なレベルまで試験片を加工し、規制庁の許可を得た後に、BR2で290℃、5.0x1024(n/m2)まで照射済みのFe-0.6Cuモデル合金の電子線照射を室温にて行い、転位ループの型判定を行った。その結果、中性子照射で形成された転位ループの殆どは格子間原子型の転位ループであることが判明した。
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