本研究では,高温太陽集熱をエネルギー源とする二段階水熱分解サイクルの反応媒体として従来検討されてきた反応性セラミックに太陽熱水分解活性と光活性を付与する水素製造用の新規反応性セラミックの開発に挑戦する。27年度は下記の研究成果が得られた。 ペロブスカイト構造を有する反応性セラミック粉体を合成した。各種イオンのドープ量やドープ比率を変えた反応性セラミック粉体について,疑似太陽集光照射加熱法により二段階反応による水分解試験を行った。ドープイオンの比率を変えることで,還元反応を大きく低温化できることを見出した。また,水分解反応ついては,還元反応の進行度が高まるにつれて水素生成能が低下する傾向がある。二段階反応のエネルギー転換効率を向上させる方策として,ドープイオン種の最適化が必要となる。
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