研究課題
本課題では、学習時と学習前・後の神経活動と、さらに学習後・想起後に神経活動依存的な遺伝子発現示す記憶を獲得した細胞(記憶痕跡細胞)の同定を、~数百個単位の海馬神経細胞から経時的イメージングにより同一個体内で観察できる新規技術を構築することを目的とした。平成26年度には、内視鏡GRINレンズと超小型蛍光顕微鏡の慢性設置により海馬神経細胞の蛍光イメージング法を確立し、Thy1-G-CaMP7 Tgマウスでの~400個の神経細胞のCa2+動態と、c-fos-tTA Tgマウスで特定の記憶痕跡細胞へ発現させたKikGR蛍光タンパク質の自由行動下での観察が可能となっていた。平成27年度は、Thy1-G-CaMP7×c-fos-tTA ダブルTgマウスを作出し、平成26年度に確立した、G-CaMP7によるCa2+動態とKiKGRによる記憶痕跡の可視化の両立を図ったことで、本申請の目的であった、自由行動下でのCa2+動態で示される神経活動の観察と、記憶痕跡細胞の同定が同一個体内で可能となった。この独自技術の確立は、海馬依存的学習で出現する記憶痕跡細胞の同定を行い、これら記憶痕跡細胞に特有の学習前・学習時・学習後の神経活動パターンの特性や変化を、それ以外の細胞と比較検討することを可能にするものである。
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医学書院・生体の科学 特集:記憶ふたたび
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