脳と行動の発達は生後早期の母仔分離(Maternal separation: MS)によって障害を受けるが、母親の養育行動によって改善される。皮膚刺激(Tactile stimulation: TS)は養育行動における重要な要素であるが、その働きは不明である。そこで、本研究では生後早期にMSを受けたマウスに対して、TSが仔のストレス応答や成体期での行動にどのような影響を及ぼすかをBALB/cマウスを用いて検討した。その結果、TSはMSによる低体重を回復させ、発声頻度を増加させた。また、TSは成長後の温痛覚感受性とうつ様行動を改善させた。
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