αシヌクレイン(αS)が病態関連オリゴマーを形成するメカニズムを明らかにするために、安定なテトラマーを形成しにくいことが報告されているA53T変異型のヒトαSを過剰発現させたトランスジェニックフライでのトランスクリプトーム及びプロテオームの網羅的解析を行った。その結果、野生型のαSを発現させた個体に比べてA53T変異型のαSを発現させた個体では、ミトコンドリアに局在し、家族性パーキンソン病原因遺伝子の一つであるPINK1のリン酸化標的でもあるTRAP1が顕著に減少することを明らかにした。この結果から、TRAP1は変異型αSによるパーキンソン病のミトコンドリア異常に関与する可能性が考えられた。
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