研究課題
PQBP1はポリグルタミン配列に直接的に結合するタンパク質である。複数のポリグルタミン病疾患タンパク質に結合することから、疾患の枠組みを超えた病態機能が想定されている。一方、私たちの本挑戦的萌芽研究を含むこれまでの研究から、PQBP1のC末端ドメインは天然変性タンパク質構造であること、さらにC末端ドメインの中に存在する特定の配列がスプライシング因子U5-15kDなどの標的タンパク質との結合に不可欠であることが明らかになった(Mizuguchi et al, Nat Commun 2014)。また、PQBP1はその遺伝子変異がレンペニング症候群をはじめ、複数の知的障害+小頭症の原因であることが明らかにされており、変性疾患のみならず、発達障害にも関わる重要な遺伝子・タンパク質であることが示されている。また、2015年にはHIVの免疫系樹状細胞における細胞内受容体であること(Cell 2015)、続いて、冠動脈疾患の疾患ネットワークのうちの最重要因子の一つであることも示され(Cell Systems 2016)、ますます重要性の認識が高まっている。本年度は、小頭症モデルマウスの治療に成功したAAV-PQBP1の他の神経疾患への応用、あるいは、PQBP1の発現制御について研究を進めた。
【上記記載産業財産権の正式名称】神経幹細胞の増殖の促進に用いられる製剤、神経幹細胞の減少に関連する疾患の予防又は治療に用いられる製剤、シナプス後部形成の促進に用いられる製剤、シナプス後部形成の減少に関連する疾患の予防又は治療に用いられる製剤、及びスクリーニング方法
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
Clinical Neuroscience.
巻: 34 ページ: 119-120
Magnetic Resonance in Medical Sciences.
巻: 印刷中(Epub ahead of print) ページ: 印刷中
10.2463/mrms.bc.2015-0148
Scientific Reports.
巻: 5 ページ: ArticleNo.12115
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