生体内を移動するニューロンで実際に機能している核転位機構を正しく理解するためには、脳の中を移動するニューロンの内部で細胞内構造の相対的な配置がどのように変化しているか明らかにする必要がある。本研究では、脳組織内のニューロン観察に供するための三波長蛍光ライブ観察系を確立し、核転位プロセスの段階ごとに微小管系とアクトミオシン系の細胞内配置の変化を調べた。その結果、核転位の際に中心体と核の位相が逆転する局面において移動する核の後方にアクチン線維の集積が観察され、核が中心体を追い越すような局面においては、核を動かすための駆動力を発生するためにアクトミオシン系が重要な働きをしている可能性が示唆された。
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