研究課題/領域番号 |
26640045
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐貫 理佳子 大阪大学, たんぱく質研究所, 助教 (50607471)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 網膜 / 中枢神経 / piRNA / small RNA |
研究実績の概要 |
piRNA(Piwi-interacting RNA)は2006年に発見された新しい小分子非コードRNAであり、トランスポゾンRNAの切断にとって重要である。通常piRNAは生殖細胞に発現しているが、研究代表者は海馬や網膜などの中枢神経系組織で発現するpiRNAクラスターコードRNA遺伝子U7を見出した。哺乳類神経細胞においてpiRNAが機能するかどうか、どのような生理現象に関与しているかを明らかにするとともに、中枢神経系で高発現する新規小分子RNAを新たに同定することを目的とする。 <1.piRNAクラスターコード遺伝子の機能解明> U7 lincRNAは網膜介在神経細胞であるアマクリン細胞に高く発現している。in vivoエレクトロポレーション法を用いてU7 lincRNAを発現するベクターを本来同RNAが発現していない網膜視細胞に導入した。U7 lincRNA発現プラスミドはEGFPが共発現するため、U7が発現した視細胞の形態を、抗EGFP抗体を用いた免疫染色を行い観察した。 <2.中枢神経系で発現する新規小分子RNAの同定> Small RNAのトランスクリプトーム解析を行うために、マウス海馬、大脳皮質、網膜からtotal RNAを精製した。特に網膜のサンプルについてはCrx欠損マウスや部位特異的Otx2欠損マウスから採取した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度はpiRNAクラスターコード遺伝子の過剰発現による網膜視細胞の発生への影響を調べることができた。また、新規小分子RNAを同定のための次世代シーケンス解析も進めることができた。そのため、研究はおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
トランスクリプトーム解析の結果から得られたsmall RNAが中枢神経系のどの部位で発現しているかを調べるために、脳と網膜切片を用いたin situ ハイブリダイゼーションを行う。Small RNAは非常に短いRNAであるため、LNA(locked nucleic acid)と呼ばれる小分子RNAの検出に適した核酸を組み込んだプローブを検出に使用する。
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