研究成果の概要 |
本研究では大多数のがんで認められる染色体不安定性の実体解明を目指した。我々は細胞が生存できないレベルではなく、生存を許容するレベルの染色体不安定性ががんの発生・進展に重要であると考え、紡錘体中央への染色体のスムーズな整列の異常に着目した。これを解析するために1本の染色体を可視化してその動態を観察する手法を開発した。また染色体の整列にKidとCENP-Eという2つのモーター分子が関与していることを明らかにした(Nat Commun, 2015)。Kidを発現抑制した細胞では染色体の整列が遅れると共に染色体不安定性がひきおこされており、これは軽度の異常による染色体不安定性の出現の1例と考えられる。
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