研究課題
本年度は、ルミナルタイプA2例, ルミナルタイプB2例、トリプルネガティブタイプ1例について、解析を行った。それぞれスフィア培養と接着培養を行ったのちに核酸を抽出し、次世代シーケンサーを使ったRNAシーケンスならびにエキソームシーケンスを行った。その後のバイオインフォマティクス解析については、ルミナルタイプA 1例、ルミナルタイプB 1例、トリプルネガティブタイプ 1例について、完了した。それぞれ、スフィア培養もしくは接着培養特異的な変異、いずれにも共通した変異が数十個ずつ同定された。それらについて、prognoscanを使って、乳がんの遺伝子発現プロファイルを解析し、発現が高い患者の予後が悪い遺伝子で、さらにoncomineを用いて解析を行い、がん組織により発現の高い遺伝子を絞り込んだ。MCM10遺伝子に注目して、解析をはじめた。MCM10遺伝子をsiRNAにてノックダウンさせると、乳がんスフィアの形成が悪くなり、がん幹細胞機能に重要であることが示唆された。月に2検体ほどのペースで乳がんの手術検体をいただき、培養を行っている。トリプルネガティブがんの培養並びにPDXも作製できた。
2: おおむね順調に進展している
すでに5検体の次世代シーケンサーを用いた解析を行い、3検体についてはバイオインフォマティクス解析も完了しており、予定通り進んでいる。臨床検体培養細胞ならびにPDXのカタログ化については、これまで足りなかったトリプルネガティブ検体も収集でき、順調である。また、候補のドライバー遺伝子もみつかっている。
次世代シーケンサーを用いた解析をより多くの臨床検体培養細胞を用いて行う。臨床検体培養細胞ならびにPDXのカタログ化をさらに進める。候補のドライバー変異をふやし、創薬と効果判定診断薬の可能性を探って行く。
課題研究における研究分担者との研究打合せ及び学会での情報収集が、来年度多く見込まれるため、予算の一部を次年度に使用することにした。
研究打合せ出張旅費及び学会出張旅費
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)
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