RNAスプライシング関連遺伝子変異は、骨髄異形成症候群(MDS)の分子病態に関わると推測されるが、病型により変異遺伝子に特異性があり、病型を規定していると考えられる。MDS患者由来の造血細胞を用いてRNAシーケンスによるスプライシング異常の標的分子の探索を行った。SF3B1変異例においては、3’側のスプライシングサイトが5’側にずれる特徴的な変化が様々な遺伝子に観察され、遺伝性環状鉄芽球性貧血の原因遺伝子が含まれていた。一方、SRSF2変異例においては、通常観察されないエクソンを含む転写産物が検出され、変異例で観察される遺伝子特異的な変化が表現型の形成に関与すると推測された。
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