研究課題/領域番号 |
26640076
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
越山 雅文 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50724390)
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研究分担者 |
松村 謙臣 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20452336)
馬場 長 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60508240)
小西 郁生 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90192062)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 癌幹細胞 / SP分画 / 卵巣漿液性腺癌 / shRNA / single clonogenesity / chemosensitivity / sphere formation assay / shRNAライブラリー |
研究実績の概要 |
1shRNAライブラリーを使用してSide population (SP) 分画を指標とした機能的スクリーニングを、元々SP分画の無い2つの卵巣漿液性腺癌(CH1, SKOV3)細胞を用いて行った。1次スクリーニングでSP分画を産み出しうるshRNAを、それぞれの細胞株で100個程度見いだした。それらを1つずつ導入して再現性を確認し(2次スクリーニング)、標的遺伝子のmRNA発現をRT-PCRにて確認し、さらに同じ遺伝子を標的とする複数の新たなshRNAを導入し、確かに、その発現の低下がSP分画を産み出す遺伝子を、それぞれの細胞株で3つずつ、計6つ同定する事が出来た。 産み出されたSP分画に癌幹細胞 (Cancer stem cell; CSC) 性質が見られるか、in vitroにおけるsingle clonogenesity, chemosensitivity, sphere formation assayを行い、in vivoでもNOD/Scidマウスに接種しての腫瘍形成能を評価した。その結果全ての遺伝子発現低下により産まれたSP分画に、CSC性質が伴う事を確認できた。sh
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
同じ遺伝子を標的とする複数の新たなshRNAを導入し、確かに、その発現の低下がSP分画を産み出す遺伝子を、2つの卵巣漿液性腺癌株で3つずつ、計6つ同定する事が出来た。 産み出されたSP分画に癌幹細胞の性質がみられるか、in vitro, in vitro実験で全ての遺伝子発現低下により産まれたSP分画に、癌幹細胞の性質が伴うことが確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
元々SP分画を持つ漿液性腺癌細胞株に、同定した遺伝子を過剰発現し、SP分画が低下するか確認する。 既報の幹細胞マーカーがどのように発現しているか、RT-PCRやWestern blottingにて確認する。 標的遺伝子の発現を低下させた細胞株とコントロール細胞株との間で発現マイクロアレイ解析を行う。それにより、どのような遺伝子群が変化し、結果としてSP分画が生じるのか検討する。 臨床サンプル(当科で実施した手術症例、また担癌患者の腹水中癌細胞)における標的遺伝子の発現状況、メチル化などを検討する。 最終的に、SP分画、すなわちCSCを産み出す機構を詳細に解明して、それを標的とした治療の確立を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究は進んでいるものの、当研究に対する学会発表や論文発表が十分でなかった。その方面での出費が少なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、学会発表や論文発表を積極的に行う予定で、そのための経費が必要となる予定。
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