近年、ハダカデバネズミ(NMR)という齧歯類が、長寿命でかつがんに抵抗性を示すことで注目されている。本研究は、この特性を分子レベルで解明することを目的として行った。まず、老化・がん化との関連が示唆されているmTORシグナルを解析した結果、NMR細胞では転写因子FoxO3aが恒常的に細胞核内で活性化していることが見出された。また、NMR細胞のFoxO3aをノックダウンすると細胞増殖の接触阻害現象が抑制されること、一方、マウス細胞に核移行型のFoxO3aを導入すると細胞増殖が抑制されることから、NMRではFoxO3aの活性化機構に特徴があることが示さた。
|