• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

ミトコンドリア機能亢進マウスを用いた癌の進展における代謝の役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26640082
研究機関長崎大学

研究代表者

山本 一男  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (70255123)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードミトコンドリア / トランスジェニックマウス / 白血病 / リンパ腫 / 代謝
研究実績の概要

平成27年度は、まずミトコンドリアの機能亢進を呈するトランスジェニックマウスと、人為的にリンパ腫を誘導するために条件付きで癌抑制遺伝子Ptenをリンパ球特異的にノックアウトできるモデルマウスとの交配を行い、得られた産仔についてPCRによる遺伝子型を判定し、実験群と対照群に分類した。Ptenノックアウトマウスではこれまでの報告通り生後約90日から160日までにリンパ腫によって死亡するが、ミトコンドリア機能を亢進させると延命効果があることが確認された。
これらマウスの観察を進める一方、前年度に樹立したミトコンドリア機能亢進の鍵となるトランスジーン産物に緑色蛍光タンパク質(GFP)を付加した人工タンパク質を安定発現する細胞株を用いて実験を行った。まず、様々な細胞内小器官マーカーと赤色蛍光タンパク質(DsRed2)との融合タンパク質を発現するプラスミドを構築し上記細胞株に導入することにより、トランスジーン産物がいずれかの細胞内小器官に局在するかどうかをGFPとDsRed2に由来する蛍光の重なりを検出することで解析した。核、ミトコンドリア、ゴルジ体、小胞体、ペルオキシソーム、エンドソームへの局在を調べたが、いずれの小器官とも重ならない細胞質中で点状に存在することが分かった。さらに、これら細胞株における遺伝子発現の変動を分析することにより、いくつかの転写因子が支配的な働きを担っていることが明らかになった。
またこれら細胞を用いた解析により、トランスジーンの発現がタンパク質の合成効率を上昇させていることが判明した。この事実を受け、上記マウスにピューロマイシンを静注して一定時間置いた後に白血球に取り込まれたピューロマイシンを定量することでin vivoにおけるタンパク質合成率を検定した。その結果、ミトコンドリアの機能亢進マウスでタンパク質合成効率が上昇していることを示唆する結果を得た。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] キャンベルファミリー癌研究所/トロント大学/マギル大学(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      キャンベルファミリー癌研究所/トロント大学/マギル大学
  • [雑誌論文] Idh1 protects murine hepatocytes from endotoxin-induced oxidative stress by regulating the intracellular NADP(+)/NADPH ratio2015

    • 著者名/発表者名
      Itsumi, M., Inoue, S., Elia, A.J., Murakami, K., Sasaki, M., Lind, E.F., Brenner, D., Harris, I.S., Chio, I.I., Afzal, S., Cairns, R.A., Cescon, D.W., Elford, A.R., Ye, J., Lang, P.A., Li, W.Y., Wakeham, A., Duncan, G.S., Haight, J., You-Ten, A., Snow, B., Yamamoto, K., Ohashi, P.S., Mak, T.W.
    • 雑誌名

      Cell Death & Differentiation

      巻: 22 ページ: 1837-1845

    • DOI

      10.1038/cdd.2015.38.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] A mechanism of cell size regulation and its readout governed by Largen2016

    • 著者名/発表者名
      Kazuo Yamamoto
    • 学会等名
      EMBO Workshop
    • 発表場所
      Joachimsthal, Germany
    • 年月日
      2016-09-14 – 2016-09-18
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] A molecular basis of mammalian cell size control2016

    • 著者名/発表者名
      Kazuo Yamamoto, Masato Sasaki, Ivan Topisirovic, Mitsuhiko Ikura, Nahum Sonenberg, Tak W. Mak
    • 学会等名
      CDB Symposium 2016
    • 発表場所
      理化学研究所多細胞システム形成研究センター(兵庫県・神戸市)
    • 年月日
      2016-03-28 – 2016-03-30
    • 国際学会
  • [学会発表] 細胞の大きさを制御する遺伝子ネットワークの抽出2015

    • 著者名/発表者名
      山本一男、Susan McCracken、Tak W. Mak
    • 学会等名
      第38回日本分子生物学会年会 第88回日本生化学会大会 合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド(兵庫県・神戸市)
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
  • [図書] 実験医学2016年9月増刊号2016

    • 著者名/発表者名
      山本一男
    • 総ページ数
      未定
    • 出版者
      羊土社

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi