癌の進行における代謝の役割を調べるために白血病マウスとミトコンドリア機能亢進マウスを用いて解析した。その結果、生後160日までにリンパ腫で死亡するマウスが、ミトコンドリア機能の亢進により延命することが確認された。この鍵となる蛋白質は、核、ミトコンドリア、ゴルジ体、小胞体、ペルオキシソーム、エンドソーム、いずれの小器官とも異なる細胞質中で点状に存在した。またこの細胞の遺伝子発現分析から、いくつかの転写因子が支配的に働くことが判明した。さらにこの細胞で蛋白質合成が上昇していたことから生体における影響を調べたところ、ミトコンドリアの機能亢進により蛋白質合成率が上昇していることを示唆する結果を得た。
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