研究課題
生体内の体液中には、脂質二重膜からなる細胞外小胞が存在する。細胞外小胞の大きさは、エクソソームに代表される50-100nmの大きさのものから、更におおきな小胞が存在しており、ヘテロな集団と考えられている。本研究では、エクソソームなどの細胞外小胞を直接検出する為に、SONYのBlue Ray技術を応用したSP6800を用いて検出する技術の開発を実施した結果、SP6800を用いて機器の最適化と解析を行い、1粒子でのエクソソームの検出が可能になった。脂質を蛍光標識する化合物を用いて、機器のノイズとエクソソームのシグナルを区別できることも明らかにした。その場合、バックグラウンドのノイズ低減のために、未標識の薬剤を超遠心やカラムなどで除去することが必須であることが明らかになった。また、蛍光標識下エクソソームマーカーの抗体を持ちいて、CD9やCD64陽性のエクソソームも検出することができた。また、エクソソーム内の核酸を核酸特異的に結合する蛍光標識化合物でも、そのシグナルを検出することができた。SP6800は、3レーザーで同時に22色の蛍光色素にも対応で、オーバーラップの大きな色素の組み合わせが可能であり、実際に自家蛍光スペクトルの違う同色領域の色素を用いた場合でも、1粒子レベルでの標的分子の違いを区別することができた。今後、エクソソームのヘテロ性の解析や、がんなどの疾患特異的な標的分子の抗体を用いた解析による早期診断ツールにも有用なツールとなることが考えられる。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (38件) (うち国際学会 3件、 招待講演 10件)
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