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2014 年度 実施状況報告書

がん細胞由来エキソソームを特異的に識別する核酸アプタマーの単離とその診断への応用

研究課題

研究課題/領域番号 26640097
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

宮岸 真  独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究グループ長 (30323538)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード癌 / バイオマーカー / エキソソーム / 核酸アプタマー / miRNA
研究実績の概要

エキソソームは細胞が放出する約30nm-100nmの小胞であり、細胞由来のmiRNAやmRNAを含んでいることから、がんや様々な疾患の診断への臨床応用に期待が集まっている。本研究課題では、肺がん細胞、大腸がん細胞、乳がん細胞を用い、カウンターセレックス法により、それぞれのがん細胞由来のエキソソームを識別する核酸アプタマーを取得する。さらに、得られたそれぞれのエキソソームを認識する複数の核酸アプタマーを用いて、様々ながん細胞に対しても、識別能の解析を行い、核酸を用いた新しいがん診断法として基礎技術を開発する。
本年度においては、エキソソームを大量に精製し、カウンターセレックス法の条件設定についての検討を行った。
エキソソームの精製法は、最近、複数のキットが市販されており、どの方法がより精製度が高く、セレックス法への適用に適切であるかについて、最初に検討を行った。
これまで用いてきた限外濾過(100kDa)による精製法に加えて、Invitogen社のエキソソーム精製キット、SBI社のキット等により、大腸癌細胞由来のエキソソームを精製し、その精製度をエキソソームマーカーであるCD68に対する抗体を用いて評価した。また、NanoSightによる粒子径の観察も行った。その結果、これまで行ってきた限外濾過法とInvitogen社のエキソソーム精製キットを組み合わせる方法が、精製度が高く、収率も高いという結果が得られた。
並行して、カウンターセレックス法で重要となるネガティブセレクションの条件を既に同定されているアプタマーを用いて数回の試行実験を行った。
これらの実験条件を用いて、平成27年度では、各エキソソームに特異的なアプタマーの取得を進めていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

エキソソームを高収量で、高純度に精製する方法の確立を行う必要が生じた。また、カウンターセレックス法の条件検討に関し、詳細に検討を行った。

今後の研究の推進方策

初年度で、高収量、高純度でエキソソームを精製する方法を確立することができ、すでに大腸癌細胞由来のエキソソームを大量に調整済みである。また、カウンターセレックスに使用する他の癌細胞のエキソソームも大量調整を進めている。
また、カウンターセレックス法に関しては、アプタマーのターゲットレセプターを含有するエキソソーム、含有しないエキソソームを調整し、既に同定されているアプタマーを用いたコントロール実験により、ネガティブセレクション条件の検討を行っている。既に2回のセレクション実験、次世代シークエンス解析により、特異的なアプタマーのみを濃縮する条件が詰まってきており、この条件が確定し次第、本研究課題で提唱する癌細胞特異的なアプタマーの取得のセレクション実験を行いたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

予定した実験が年度をまたいでしまったために、消耗品(実験試薬等)の使用に若干の余りが出てしまった。

次年度使用額の使用計画

実験試薬購入に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 細胞外ベシクルに結合するRNAアプタマーの生化学的および構造学的特徴2014

    • 著者名/発表者名
      村上 和由、Zhao Jing、山崎 和彦、池本 光志、宮岸 真
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2014-11-27

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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