ATP拮抗型キナーゼ阻害剤とその標的となるATP結合タンパク質を対象に、細胞内での標的・阻害濃度・阻害持続性を軸とした、3次元ファーマコプロテオミクス解析手法(3D-Pharmacoproteomics; 3D-PPx)を開発した。非小細胞肺癌細胞株を用いた実証試験では、EGF受容体阻害剤エルロチニブに対する耐性株(EGF受容体変異なし)では、エルロチニブの有無によるATPプローブの標識量には有意な変化は見られなかったが、感受性株(EGF受容体変異あり)ではATPプローブの標識量が2.3倍減少し、予想通りの結果が得られた。また同時に今まで知られていないエルロチニブの標的候補も複数同定された。
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