研究課題
当該研究では、多発性骨髄腫に有用なDrug delivery system (DDS)を考案するために、同疾患におけるDDS創薬の開発の課題を抽出し、それを克服するための基盤的研究を行った。研究者らは、これまでに同疾患で関わってきた多数のシーズ開発の経験から、多発性骨髄腫は骨髄を増殖の首座とする腫瘍であり、その微小環境の影響が同疾患の病態と強く関与していることを認識し、本研究においても骨髄微小環境を考慮したDDSの開発を進めている。はじめに、骨髄の腫瘍細胞に集積する最適なDDSを開発するため、骨髄内の微少血管と腫瘍細胞との関連を検討し、物理化学的特性を考慮した高分子ミセルの選択を検討した。次に、標的指向性を高めるため、発現プロファイルを考慮したうえでの腫瘍細胞表面に結合するリガンド分子のDDSへの組み込みを検討した。また、骨髄内腫瘍細胞に集積するDDSの評価系として、同系移植と異種移植の骨髄腫モデルマウスについて検討した。さらに、骨髄微小環境における免疫細胞とその腫瘍進展への関わりに着目し、免疫細胞と腫瘍細胞との相互作用を増強し抗腫瘍効果を誘導する新しいタイプのDDS製剤として、免疫細胞と腫瘍細胞とを同時に標的とし、NK細胞等のアクセサリー細胞とも結合しうるIgG型二重特異性抗体を作成し、その多発性骨髄腫に対する抗腫瘍効果を評価した。以上より、当該研究において、多発性骨髄腫の病態とその微小環境に適したDDSとその評価系を研究し、多発性骨髄腫に有用なDDS創薬の開発を目指す基盤構築を進めた。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 13件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 3件) 産業財産権 (1件)
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