研究課題/領域番号 |
26640106
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
細見 修 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 客員教授 (30134274)
|
研究分担者 |
佐々木 啓 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (20384969)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | オリゴ糖 / がん細胞 / apoptosis / 抗がん剤 / 副作用 / 多様性 / 高転移性 |
研究実績の概要 |
①目的のオリゴ糖(Galα1-6GlcNH2)の中規模合成が企業と他大学研究者の共同で可能となった。100gレベルの合成と精製が可能となることで、協力・共同できる研究者(本学や他大学)に提供できるようになった。これによって研究の推進が一層期待できると考える。特に、様々なヒトがん種に対する詳細なデータが得られるものと考える。更に、がん罹患イヌや小動物へ静中・経口投与によるオリゴ糖の効果確認や継続投与の効果も確認できる。 ②Topo2に対するオリゴ糖の阻害実験では活性を阻害することは確認されなかった。これによって、当初予想されたオリゴ糖の作用機序がTopo2阻害の抗がん剤とは異なることが確認された。更に、ヒト、イヌ、マウス腹水がん等、様々ながん種への抑制効果から、従来の分子標的型抗がん剤とは異なる作用を持つものと考える。 ③K562細胞シグナル伝達系へのオリゴ糖の影響を進めているが、Erkや他のシグナル系への影響の解明が必要と考えている。一方、metallothioneinの数種がオリゴ糖で異常発現すること、クロマチンの凝集やカルシウムイオンのERからの放出や収束が見られることから、がん細胞はapoptosisが誘導されると考える。galectin-1がこのapoptosisに関与している可能性やがん細胞特有のgalectin-1の介入を考え、分子内SS結合の異常分子を作る必要があることが考えられ、他大学研究者と作成を試みる予定である。 ④ヒト乳がん細胞を使った研究で、細胞が高発現している転移に関与するCD44とgalectin-9に対するオリゴ糖の影響を調べたとろ、CD44の発現にはほとんど影響せず、galectin-9の発現は有意に向上することが認められた。オリゴ糖ががん細胞の増殖を抑制すると共に高転移性を抑制する可能性が示唆された。
|