超好熱性のAeropyrum属古細菌をモデルとして、ウイルス駆動によるゲノム進化過程の解明を試みた。3か所の温泉から分離した本属22株のゲノム比較により、本属は系統学的な地域性を示した。本属共通遺伝子を除いた地域特有遺伝子の由来を推定した結果、ウイルス由来様ORFan及びウイルス関連遺伝子は40~60%を占めるため、本属ゲノムはウイルスとの共進化と、遺伝子重複と欠失により局所的進化を遂げてきたと推定された。また核外ゲノムとして維持される新規本属溶原ウイルスを見出し、本種ゲノム上の遺伝子ホモログも認められるため、核外溶原ウイルスも本属古細菌のゲノム進化に寄与していることが示唆された。
|