本研究は減数分裂期の染色体運動を制御する細胞骨格と核膜に存在するタンパク質複合体の核膜局在の仕組みを明らかにすることを目的とした。電子顕微鏡解析の結果、細胞質に加えて、核内でアクチン繊維が減数分裂期特異的に観察できた。この結果は、細胞質のみならず核内のアクチン繊維が染色体運動に関わる可能性を提示している。染色体運動の鍵タンパク質であるMps3タンパク質の動態を解析した所、このタンパク質がリン酸化を受けること、Mps3のリン酸化部位の部位に変異を導入すると、Mps3の核膜局在が大きく低下した。減数分裂期特異的リン酸化により、その局在が制御されていることを明らかにできた。
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