研究課題/領域番号 |
26650008
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
牧 信安 大阪大学, たんぱく質研究所, 准教授 (90342849)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 分化転換 / エピジェネティクス / ニワトリ胚 / RPE cell |
研究実績の概要 |
iPS因子の遺伝子導入や卵母細胞への核移植で体細胞核はリプログラミングされる。これらの人為的リプログラミングに対して、分化転換という生命現象としての体細胞核リプログラミングが存在する。分化転換の研究は主に両生類イモリの組織再生を対象に研究されてきたが、イモリのゲノム配列が未解読であるため、ゲノム包括的なエピジェネティクス解析が不可能であった。ニワトリ胚網膜色素上皮細胞 (RPE cell)はレンズへと分化転換すること、そして、ニワトリのゲノム配列は解読されていることに着目し、本研究では、レンズ分化転換を支えるエピジェネティクスをゲノム包括的に解析する。本年度、ニワトリ胚培養系を導入した。摘出条件の検討を行い、8日令のニワトリ胚からRPE cellを単離、培養することが出来るようになった。以後、この培養系を利用して分化転換におけるエピジェネティクスを解析する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまで両生類を対象に研究してきたが、本研究で初めてニワトリ胚を実験に用いた。そのため、培養系の導入に時間がかかってしまった。RPE cell単離手技の上達やトリプシン処理等の条件の最適化を行い、最終的に実験系を構築できた。今後は、この系を利用して研究が進展すると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
構築された培養系を利用して、1) RPE cell、2) 脱分化細胞、3) レンズ細胞を分取する。これらの細胞種に対して、ChIP seqを行い、分化転換過程におけるエピジェネティック制御をゲノムワイドに明らかにする。さらに、レンズ分化転換能を持つステージと消失するステージのRPE cellのエピジェネティクスをChIP seqにより比較し、分化転換能を担保するエピジェネティクスを明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
ニワトリ胚培養系の構築に時間が取られ、ChIP seq解析を行うことが出来なかった。そのため、ChIP seq用の予算を使うことが出来なかった。
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次年度使用額の使用計画 |
初年度に計画していたChIP seq解析は、次年度に行う。初年度に使用できなかったChIP seq用予算は、次年度のChIP seq解析に使用する。
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