1回膜貫通型タンパク質、または膜貫通ペプチドの脂質二重膜中での構造生物化学的解析を行う上で、その挿入方向がしばしば問題となる。本研究においては、膜貫通ペプチドをリポソームに対して一定方向で挿入する技術の開発を中心に、膜タンパク質、膜貫通ペプチドの脂質二重膜への再構成法を見直すこととした。細胞の大きさと類似の大きさのリポソームへのペプチドの挿入に関しては、膜貫通配列のC末側に膜透過配列を導入したペプチドを試料とした。この試料は、数十分の間はリポソーム膜上に留まるが、後に内部へと移行してしまうことが分かった。一方、再構成法の見直しにおいては、大きな時間短縮を可能とする条件を見出すことに成功した。
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